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以前、友人にこんなメールを送った事がある。
雪山の遭難事故がニュースで流れると、心が騒ぎます。
八ヶ岳・谷川岳は夏は何でもない山ですが、冬場天候が荒れると凶器の山になります。
今度の事故も数人のパーティーで挑戦し、当人の自己判断の欠如が起こしたモノです。
私は基本的には単独で登ります。
登るも退くも自分の体力と技術に応じ決めます。
5月までは雪山シーズンが続きます。
何故山に登るのか…言い古された言葉は有りますが、未だに答えが出ません。
ただ夏にせよ冬にせよ、あらゆる準備をし気力体力を満たしても、無事に戻れるかどうかは運次第。
大勢の中で自分だけに落雷や落石に見舞われる事もあり、急に足場が崩れる事もあります。
幾度も危険を経験しました。
山に入ると何か大きなものに見守られていると感じます。
懐かしさと不思議な温もりを感じます。涙ぐむ時すら有ります。
余計な物が少しずつ削ぎ落とされていきます。
呟きや独り言がいつの間にか祈りに変わっていきます。
ヘトヘトになり足が動かなくなるにつれ不思議に気力が満ちていきます。
次第に心が優しくなっていきます。
そして大切な物だけが心に残ります。
少しだけ理解できたことがあります。
必要なのは決意ではなく一歩の積み重ね。
出来る事は限られており、着実である事が全ての能力に優先しする。
山は私にいろんな事を教えてくれた。
父母が亡くなり、朋友が逝き、大病を患い…しばらく山を忘れていた。
来年は山に戻ろう。。。